【4月15日 AFP】恐竜が生息していた時代に空を舞っていたアズダルコ科に属する巨大な翼竜。興味深い特徴の一つは、キリンをもしのぐその極めて長い首だ。最長3メートルにおよぶと推定され、どのようにして首を折ることなく頭の重さを支えていたのか、という疑問が上がっていた。

 学術誌「アイサイエンス(iScience)」に掲載された論文によると、英ポーツマス大学(University of Portsmouth)の研究チームは、モロッコで発掘された保存状態の良い脊椎(背骨)の標本を分析。極めて軽量だが負荷に耐え得るスポーク状の骨が複雑に配置された、脊椎内側の構造がその答えだと考えた。

 現生種、絶滅種にかかわらず、動物界でこれに相当する構造は他に知られていない。

 脊椎の中央には、神経が通る神経管がある。神経管と脊椎の外壁をつなぐのは、自転車のスポークのように放射状に重なり合った複数の細い骨だ。

 このスポーク状の細い骨は脊椎の縦方向にもらせん状に走っており、これが骨の強度をさらに増している。

 研究チームが生体力学技術者と協力して実施した計算では、わずか50本ほどのスポーク状の骨が、翼竜の首の耐荷重を90%増やしたとの結果が示唆された。(c)AFP