【4月15日 AFP】史上最大の巨額詐欺事件を起こしたとして、米国で禁錮150年の刑に服していたバーナード・マドフ(Bernard Madoff)受刑者が14日、死去した。82歳。米刑務所当局が明らかにした。

 慢性腎不全を患っていたマドフ受刑者は、最期の日々を自宅で過ごすために釈放を求めたが、刑務所当局は昨年、これを拒否していた。

 1938年、ニューヨーク生まれのマドフ受刑者は、「ポンジ・スキーム」と呼ばれるねずみ講式の手法で世界の数万人から巨額の資金をだまし取ったとして、2009年に実刑判決を言い渡された。だまし取った額は推定650億ドル(約7兆1000億円)とされる。

 連邦刑務所局(Federal Bureau of Prisons)の職員は電子メールでAFPに対し、マドフ受刑者がノースカロライナ州バトナー(Butner)にある連邦刑務所で死去したと説明。今後、死因を特定する検視が行われるとした。

 マドフ受刑者による巨額詐欺は、金融危機が起きていた2008年、同受刑者が顧客から相次いだ払い戻し要求に応じられなかったことから発覚。顧客の多くは、資産を失ったり、引退ができなくなったりした。(c)AFP/Peter HUTCHISON