【11月10日 AFP】米ナスダック(Nasdaq)の元会長、バーナード・マドフ(Bernard Madoff)受刑者が起こした、ウォール街(Wall Street)史上最悪の巨額詐欺事件の被害者らに、救済基金から初めて賠償金が支払われた。米司法省が9日、声明で明らかにした。世界中の被害者2万4631人に総額7億7250万ドル(約880億円)が支払われたという。

 救済基金「マドフ救済基金(Madoff Victim Fund)」は、当局が差し押さえた40億ドル(約4500億円)を被害者に支払うため、司法省が設立。基金側によると、司法省は136か国の投資家から6万5000件あまり、総額400億ドル(約4兆5000億円)規模の被害報告を受けているという。

 米連邦捜査局(FBI)ニューヨーク支局のウィリアム・スウィーニー(William Sweeney)副支局長は、「事件発覚から10年近くが経過しており、被害に遭った人たちが長くて暗いトンネルの最後に希望を見出すことができたらと願っている」と語った。

 マドフ受刑者による巨額詐欺は金融危機真っただ中の2008年、同受刑者が投資家からの資金引き揚げの要求に応じられなくなったことが発端となり発覚。マドフ受刑者は禁固150年を言い渡され服役中だが、同受刑者が投資家からだまし取った金額は元利を含めると推計で650億ドル(約7兆4000億円)にも上るという。(c)AFP