【12月12日 AFP】米史上最大の巨額詐欺で禁固150年を言い渡され服役中のバーナード・マドフ(Bernard Madoff)受刑者の長男、マーク・マドフ(Mark Madoff)氏(46)が11日朝(日本時間同日夜)、米ニューヨーク(New York)の自宅マンションで首をつった状態で死んでいるのが見つかった。

 マーク氏は天井のパイプからたらしたイヌ用の引き紐で首をつった状態で発見された。隣の寝室では2歳になる同氏の息子が眠っていた。

 米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)によるとマーク氏は、現在米フロリダ(Florida)州で暮らしている妻のステファニー(Stephanie)さんと電子メールを交換していた。心配したステファニーさんは自分の父親にマークさんの自宅を調べるよう頼み、この父親が遺体を発見したという。

 詐欺事件に関してマーク氏本人は刑事訴追されていないが、マドフ受刑者が運営していた投資会社の破産管財人アービング・ピカード(Irving Picard)氏は、被害者に資金を返還するためマーク氏を含むマドフ受刑者の親族数人を相手取って民事訴訟を起こしていた。ピカード氏はこれまでに、マドフ受刑者と妻ルース(Ruth Madoff)さんの所有物の競売も行っている。

 米国のメディアは、マーク氏は父親が信頼を裏切ったことに打ちのめされていたと報じている。マーク氏は弟のアンドリュー(Andrew)氏と共にマドフ受刑者の会社で働いていたが、父親が合法的なビジネスと並行して犯罪に手を染めていたことは知らなかったと話していた。

 警察が道路を一時封鎖した中、当局者らが黒い袋に入れられた遺体を当局の検死部門のバンに運び込む作業を、集まった近隣住民たちが見守った。マドフ受刑者がマーク氏の葬儀への参列を許されるかは明らかになっていない。(c)AFP/Sebastian Smith