【4月15日 CNS】中国の街角に数多くあるインターネットカフェの閉店が相次いでいる。企業登記情報サイトの「天眼査」によると、2020年に倒産したネットカフェ関連企業は1万2888社に上り、今年2月時点で継続している関連企業は12万4818社に減少した。

「店舗のリースの期限が切れたら、店を閉めるつもりだよ」。山東省(Shandong)済南市(Jinan)でネットカフェを経営している51歳の金(Jin)さんはあきらめ顔で話す。店始めて16年目を迎えるが、今年が最後の年になるかもしれないという。

 2006年にオープンし、翌年には約200平方メートルの敷地を借りて店舗を拡大した。金さんは「商売が一番うまくいっていた時期は、長さ600メートルのこの通りに6店のネットカフェがあり、夕方や休日はどこも満員状態だった」と振り返る。

 ネットカフェはかつて1980年代、1990年代生まれの若者らを中心にインターネットやオンラインゲームを楽しむ場所として、多くの人気を集めていた。しかしこの世代の多くが社会人になるとネットカフェに立ち寄ることは少なくなった。2000年以降生まれの若者はスマートフォンでいつでもゲームができるようになり、ネットカフェは訪れる対象でなくなっている。

 ゲームに重点を置くネットカフェは、最新のオンラインゲーム向けの設備を導入するため3年に1度はハードウエアを更新する必要があるが、投資の回収期間はどんどん長くなっている。さらに新型コロナウイルスの流行で臨時休業を迫られ、大きな痛手を受けている。

「2020年中国ゲーム産業リポート」によると、中国のゲーム市場の売上高は2786.87億元(約4兆6380億円)で、国内のゲームユーザーは6億6500万人に達している。業界関係者は「ゲーム業界の未来はまだまだ有望だが、ネットカフェが客の来店を待つだけで成功する時代は過ぎ去っており、ビジネスモデルの変革が求められている」と指摘する。一部のネットカフェは中国でも人気となっているeスポーツと組み合わせ、集客に取り組んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News