【4月4日 AFP】フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相は4日、南シナ海(South China Sea)の係争海域で中国がさらなる占拠を計画していると非難した。フィリピン沖に停泊する中国船団をめぐり両国間で緊張が高まっている。

 南シナ海に浮かぶパラワン(Palawan)島の西方約320キロに位置するウィットサン礁(Whitsun Reef)に先月停泊していた中国船200隻以上は現在、南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)周辺の係争海域各地で確認されている。

 ロレンザーナ氏は、「中国の海上民兵」が係争海域にとどまり続けていることは、中国の西フィリピン海(West Philippine Sea、南シナ海のフィリピン名)における占拠地域拡大の意図を示すものだと指摘。

 中国がフィリピンの主権を「あつかましく侵害」した前例として、フィリピンが領有権を主張するスカボロー礁(Scarborough Shoal)とミスチーフ礁(Mischief Reef)を中国が占拠したことに触れた。

 また、ロレンザーナ氏は3日、ウィットサン礁に停泊する船団は悪天候を避けようとしていた漁船だとする中国の主張を退け、「私はばかではない。これまでのところ天候は良く、停泊する理由はない」と述べ、「出ていけ」と警告した。

 在フィリピン中国大使館は、ロレンザーナ氏の発言に「困惑している」とし、「不合理な感情をさらにあおりかねない素人の発言」は避けるよう当局に求めた。(c)AFP