【4月4日 AFP】ヨルダンの前皇太子、ハムザ・ビン・フセイン(Hamzah bin Hussein)王子が3日、自宅軟禁下にあると明らかにした。異母兄のアブドラ・イブン・フセイン国王(King Abdullah II)に対する謀略への関与は一切否定している。

 英BBCが王子の弁護士から入手したとされる動画で王子は、自宅に軟禁され、警護が解かれ、インターネットと電話の回線が遮断されたと説明。多数の友人が拘束されたと明らかにした。

 だが、王子は謀略には関与していないと主張。統治の崩壊や汚職、過去15〜20年にわたり統治機構にまん延する、悪化の一途をたどる無能さに対する責任は自分にはないと述べた。

 またヨルダンの「政治体制」は「私的かつ経済的な権益や汚職の方が、国民1000万人の命や威厳、未来よりも大切」だと考えていると非難し、「残念ながらこの国は汚職や縁故主義、悪政に阻まれるようになり、希望が壊されたり失われたりしている」と語った。

 ハムザ王子は、故フセイン1世(King Hussein)と米国人の妻ヌール王妃(Queen Noor)の長男。異母兄のアブドラ国王と公式には良好な関係にあり、部族の指導者らと親密な関係を築いている。

 アブドラ国王は1999年、フセイン1世の遺言通りハムザ王子を皇太子に任命したが、2004年に解任し、代わりに自身の長男フセイン・ビン・アブドラ(Hussein bin Abdullah II)王子を任命した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は中東で活動する情報機関高官の話として、ハムザ王子の自宅軟禁は、王室関係者いわく「複雑かつ大規模な策略」が発覚したことに続くものだと伝えた。

 米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は、米政府は同盟国ヨルダンでの動向を「注視している」と述べた。(c)AFP