【4月3日 AFP】スノーボード女子ハーフパイプ米国代表のスター選手で、2018年平昌冬季五輪で金メダルを獲得したクロエ・キム(Chloe Kim)は、米国でアジア系を標的にした暴力行為が増加している中で、毎日のようにソーシャルメディアで人種差別的な嫌がらせを受けていると告白した。

 カリフォルニア州出身で韓国人の両親を持つ20歳のキムは、米スポーツ専門チャンネルESPNのインタビューで、自身が受けている人種差別を詳細に明かし、身の安全について不安を訴えた。

 1日に行われたESPNとのインタビューでキムは、「自分がプロのアスリートであるとか五輪で優勝したからといって、人種差別からは逃れられない」と話し、「そういったメッセージは月に何百件もあり、1日に30件くらいは来る」と明かした。

 反アジア的な嫌がらせには、2014年のウインターXゲームズ(Winter X Games)で銀メダルを獲得した10代前半の頃からさらされてきたといい、「自分が成し遂げたことはとても誇らしかったが、ベッドでは母の隣で泣きながら、『私がアジア系だからといって、どうして人々はあんなに意地悪なの?』と尋ねていた」と語った。

 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)が始まってから嫌がらせが増えたことに気付いたというキムは、現在はロサンゼルスの自宅から外出するときは常に用心していると明かし、「短い用事や、その場に大勢の人がいるのを知っているとき以外は、自分一人では決してどこにも行かないようにしている」と語った。

 先月31日には、その日インスタグラム(Instagram)で受け取った人種差別的なメッセージのスクリーンショットを投稿し、「このようなメッセージが数え切れないほど届く。人々がこうした行為を問題ないと考えていることに胸が張り裂けている」とすると、「本当に無力だと感じ、怖くなるときもある。とても苦しんでいる」とつづっていた。(c)AFP