【3月30日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は29日、アフリカ南部モザンビーク北部カボデルガード(Cabo Delgado)州沿岸部の町パルマ(Palma)を掌握したと発表した。人口約7万5000人の同町では、数日にわたる攻撃により住民が車や船、徒歩で町外へと一斉に避難。町内はほぼ無人状態となっている。

 ISはメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上のチャンネルで出した声明で、3日間の戦闘の末「カリフ制国家の兵士が要衝地パルマを掌握した」と発表。軍と政府施設を標的とした攻勢により、軍隊や「十字軍国家の構成員」(ISが欧米人を指して使う言葉)ら数十人を殺害したと明らかにした。

 同国北部では2017年以降、イスラム過激派の武装闘争が徐々に拡大していたが、今月24日に始まったパルマへの攻撃により情勢は大幅に悪化した。

 治安筋はAFPに27日、イスラム過激派が町を掌握したと明らかにしていた。モザンビーク政府によると、攻撃により数十人が死亡。うち7人は、ホテルに退避していた人々を避難させる作戦が行われた際、待ち伏せ攻撃を受けて死亡した。

 米国は29日、モザンビーク政府に対する支援を表明。国連(UN)もパルマ攻撃を非難し、被害者の支援に向けて現地当局と緊密に連絡を取っていると明らかにした。(c)AFP