【3月25日 AFP】欧州連合(EU)は24日、新型コロナウイルスワクチンの輸出に関する規制を強化し、輸出承認の条件として、特にワクチン生産国に対して「公正な」行動を求める方針を示した。

 当局によると、欧州委員会(European Commission)は今後、輸出相手国の感染拡大ペースとワクチン保有数からみたワクチンの必要性や、相手国からEUへのワクチン輸出状況を考慮する。同委員会のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は「開かれた道は双方向に走らなければいけない」と言明。「このことから、欧州委員会は互恵主義と均衡性の原則を導入する」と述べた。

 EUは、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)とワクチンの供給不足をめぐり対立してきた。制限強化によりEUからのワクチン輸入が制限されることを懸念したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は「恣意(しい)的な制限」と反発。輸出制限を行った国については、企業が将来の投資を見直す可能性もあると警告した。

 だが英国とEUはその後、共同声明を発表。協力関係を重視して「ウィンウィンの状況をつくる」方針を示し、ワクチンをめぐる緊張緩和に努めた。(c)AFP