■「言葉は何の役にも立たない」

 おそらく多くの人にとってより意外だったのは、経験豊富な外交専門家で、常に冷静沈着な人物として知られているアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官が、アラスカ州で18日から行われた米中外交トップ会談において冒頭から中国側を非難したことだろう。

 各国の報道陣が撮影を続ける中、ブリンケン氏は中国政府の行動について「世界の安定を維持している、ルールに基づく秩序を脅かす」と発言。中国側は反発し、王毅(Wang Yi)外相は「これは客をもてなす態度ではない」と述べた。

 ライト氏は、このやりとりは「確かに派手」だったとしながらも、「少なくとも、現実に起きていることに呼応していた」と指摘。「米中関係を決定付けているのは敵対と競争であることを世界に示している」と述べた。

 保守系米シンクタンク「ヘリテージ財団(Heritage Foundation)」の研究員ジェームズ・カラファノ(James Carafano)氏は、最初から攻勢に出たブリンケン氏は「絶対に正しかった」と主張する。

 カラファノ氏は、バイデン政権が強硬路線を取ることで失うものは何もないとし、「ロシアと中国に厳しい態度で臨む方針は、超党派で一致している。誰もが強硬姿勢を望んでいる」と語った。

 また、バイデン氏の戦術はトランプ政権の戦術ともある程度一致していると指摘。トランプ氏自身はプーチン氏や習氏と友好関係を結んでいると盛んにアピールしていたが、トランプ政権はロシアと中国への対抗措置に踏み切っている。

 だが結局のところ、「言葉は何の役にも立たない」とカラファノ氏は言う。

「トランプ氏はプーチン大統領と非常に感じよく話そうと努めたが、プーチン氏はあくまでも自分らしく振る舞った」とカラファノ氏は指摘する。

「バイデン氏はプーチン氏に断固たる態度で接していると主張しているが、プーチン氏は自分らしさを貫くだろう」 (c)AFP/Francesco FONTEMAGGI