【3月17日 AFP】フランス西部ブルターニュ(Brittany)地域圏で、検査で検出しにくい新型コロナウイルスの新たな変異株が確認され、当局が調査を進めている。ただ現時点では、重症化率や感染力が特に高いとはみられていない。

 地方健康局(ARS)のステファヌ・ミュリエス(Stephane Mulliez)局長は16日の記者会見で、イギリス海峡(English Channel)に面したラニオン(Lannion)の病院に勤務する生物学者が、最近の死亡症例を調べていた際に気付き、報告したと発表した。

 死亡した患者7人は、新型コロナウイルス感染症の典型的な症状を示していたにもかかわらず、PCR検査では陰性だった。鼻から採取した検体を用いるPCR検査は、一般に精度が高い。

 ミュリエス氏によると、この7人の血液や気管の奥から採取した粘液などを使いさらなる検査を行った結果、同ウイルスへの感染が確認された。全員高齢で基礎疾患があったという。

 ウイルスの遺伝子配列の解析のため、検体が首都パリのパスツール研究所(Pasteur Institute)に送られ、未知の変異株であることが確認された。

 これを受けて、同変異株が他の地域圏にも広がっていないかどうかを調べるため、検査と追跡を強化したと、ミュリエス氏は述べている。

 同局は、初期分析に基づく限り「従来株に比べて、重症化率や感染力が特に高いわけではない」としている。(c)AFP