【3月17日 CNS】中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」で最近、「大学でeスポーツを専攻した卒業生は、誰もeスポーツをしていない」という話題が検索ランキングの上位に入った。中国では2017年に大学でeスポーツ専攻コースが誕生。実際は昨年の第1期卒業生の多くがeスポーツ業界に就職している。「eスポーツを専攻した学生はプレーヤーになる」という思い込みから、デマが広がったようだ。

 映画や放送業界に人材を輩出している四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の四川電影電子学院(Sichuan Film and Television University)は、2017年9月に3年制の「電子競技運動・管理」専攻を開設。eスポーツの選手育成でなく、大会の運営や管理、実況アナウンサーなどの育成を図っている。

 昨年秋の第1期卒業生のうち、26%がメディア機関でeスポーツ大会の運営やコンテンツ制作の仕事をしている。さらに20%がeスポーツクラブの企画・運営に携わり、14%が実況アナウンサーなどを務め、6%がeスポーツのトレーニング関連業務に従事。60%以上がeスポーツに直接関係する業務に就いている。その他の34%もeスポーツやゲームを含むデジタルエンターテインメント業界で仕事をしている。

 放送、メディア分野で最高レベルの中国伝媒大学(Communication University of China)も2017年に4年制のeスポーツ専門学部を設置。eスポーツの基礎理論や大会運営、ゲームデータ分析のほか数学、デジタルメディア技術、アート制作などを学んでいる。

 同大学アニメ・デジタルアート学院の陳京煒(Chen Jingwei)副院長は「学生は卒業時に22歳以上で、eスポーツプレーヤーとして最適な年齢を過ぎている」と説明。eスポーツ産業をけん引する側の人材育成に努めている。来年秋に卒業予定の学生20人のうち、6人が大手ゲーム会社と契約し、4人が内定段階、6人が勉強を続けるなど進路はさまざまだ。

 中国政府はeスポーツを正式なスポーツ種目として認めており、2019年にはeスポーツのオペレーターとプレーヤーを国家公認の職業として追加している。eスポーツ産業は急成長を遂げており、人力資源社会保障省は昨年、「今後5年間で350万人の人材が不足する」と予測している。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News