【3月16日 People’s Daily】近頃、中国の風力発電の2020年レポートが発表され、業界の注目を広く集めた。新しくネットワーク化された装置の発電容量は7167万キロワットであり、記録を更新した。風力発電量は4665億キロワットで、昨年同期比15%増となった。これはほぼ、三峡ダム発電所の2020年発電量の4倍に当たる。整然とそびえ立つ1台1台の「風車」が、経済の質の高い発展のため電力を保証する。2020年末までに、中国の風力発電の累計設備容量は2億8100万キロワットに達し、規模は世界1位となった。

 中国の風力発電産業の歩みを知るためには、まずデータを見てみよう。2005年に100万キロワット台、2008年に1000万キロワット台、2014年に1億キロワット台、2018年に2億キロワット台に突入し、風力発電機をほぼ輸入に頼っていた頃から、技術が世界最先端を行く今の規模に至るまで、風力発電は大いなる飛躍を実現してきた。

 配置と構造の面から見ると、過去の風力発電開発は主に風力資源の比較的豊富な北部地区に集中していたが、ここ数年は発電ワット数が大きく、羽が長く、背が高い風車の普及につれ、平原地区や風速が低い地域も開発の条件に入るようになった。2020年に新設された風力発電設備のうち、中東部と南部地区が40%を占める。開発コストを見ると、風力発電のコストはここ数年で非常に安くなり、中国の大部分の地区では新設風力発電のプロジェクトにもはや補助金を必要としなくなった。風力資源が豊富な地域では、風力発電は石炭火力発電と比べてさえ安く、「クリーンエネルギーは高く、市場では受け入れられない」という固定観念を覆した。

 新型コロナウイルスの衝撃を受け、風力発電は部品や原材料不足の問題こそ克服したが、運輸の滞りや施工の進捗(しんちょく)遅延などマイナスの影響を受けた。風力発電だけでなく、去年の太陽光発電業界の発展も同様、「流れをさかのぼった」と言える。4820万キロワットの新設機器の規模はここ3年の新高値で、同期比60%の伸びであった。2020年の風力発電・太陽光発電の新設機器は1億2000万ワットに迫り、全国で新設された発電機器の約62.8%を占める。水力・風力・太陽光・バイオマス発電装置の容量はいずれも世界1位である。

 なぜ風力・太陽光発電などクリーンエネルギーの規模を安定して拡大できたのか?要因は中国が揺るぎなくエネルギー革命を推進してきたからである。昨年末に発表された、「新時代の中国エネルギー産業発展」白書には、全面的に中国が推し進めるエネルギー革命の主要政策と重大措置が述べられており、中でも重要なのはクリーンかつ低炭素エネルギーへの指向性である。未来を見据え、2030年を二酸化炭素排出量のピークとし、2060年にはカーボンニュートラルを実現するべく、2030年に風力発電・太陽光発電の総機器容量を12億キロワットまで引き上げることを目標に、市場では風力発電・太陽光発電への投資が盛んである。(c)People’s Daily/AFPBB News