福島原発事故から10年 被災教会の復興祈る「流浪」の牧師
このニュースをシェア
■「福島は神様に祝福された場所」
泉町での暮らしになじんできた比留間さん。ステンドグラスの窓が美しい現代的な建物の教会が、彼の心の支えになっている。
礼拝の時は数十人の教会員が集まり、聖書の一節を読み、ピアノやオルガンの伴奏で賛美歌を歌う。
「この地にも慣れてきたし、ついの住み家だと思っています」と日曜礼拝に訪れた比留間さんは明かした。
彰牧師も、一度は泉町を自身の終着点にしようと考えた。だが今は、大熊町に帰ることを模索している。
「向こうに小屋みたいなものを建てて、最後は過ごしてみようかなって」と、髪に白いものが交じる彰牧師は話した。「聖書の言葉をかみしめ、ほのぼのとした賛美歌集会をほそぼそとやってみようかなって。そんな未来を夢見ているところです」
来年、教会のある地区の規制が解除される予定だ。少なくともそれまでは、大熊町に戻って定住することはできない。しかし、彰牧師は望みを持ち続けている。
「福島は神様に祝福されている場所だと思っています。痛みと悲しみがあった分だけ、神様は2倍、3倍の祝福をこれからも下さると思います」 (c)AFP/Shingo ITO