【3月8日 AFP】ミャンマーで迫害を受けてインド北部の連邦政府直轄地ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)に逃れていたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が、当局に拘束され収容施設に入れられていることが7日、現地警察幹部の話で分かった。ミャンマーに送還されるとみられる。

 ジャム警察のムケシュ・シン(Mukesh Singh)警視長はAFPに対し、6日以降に少なくとも168人のミャンマー出身のロヒンギャを拘束したと語った。「不法移民」の国籍を確認した上で、詳細をインド外務省に送り、国外退去に向けたミャンマー側との手続きに入るとしている。

 シン氏によると、ジャム・カシミールには約5000人のロヒンギャがいるとみられている。

 ヒンズー教徒が住民の大多数を占めるジャムでは、ほとんどのロヒンギャがスラムに暮らしており、命の危険を感じると訴えている。

 7日にAFPの電話取材に応じたロヒンギャ男性は、「ビルマ(ミャンマー)に送り返すぐらいなら、ここで私たち全員を撃ち殺せばいい。向こうでも弾丸の雨を浴びせられることになるのだから」と語った。ロヒンギャの人々は、警察による摘発が始まってから「眠れていない」という。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相率いるインド政府はヒンズー至上主義的な政策を掲げ、国内に約4万人いるとされるロヒンギャを国外に退去させるよう、以前から各州・連邦直轄地に求めていた。

 インド政府は、ロヒンギャを「イスラム国(IS)」などのイスラム過激派とつながりを持つ安全保障上の脅威だとみなしているが、ロヒンギャの指導者らは疑惑を否定している。(c)AFP