【2月25日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、オーストラリア・ブリスベン(Brisbane)を2032年夏季五輪の優先候補地に選定したと発表した。今後は招致側との「目的を絞った対話(Targeted Dialogue)」に入るとしている。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、「将来開催地委員会は、2032年夏季五輪について、理事会がブリスベン側、そしてオーストラリアオリンピック委員会(AOC)と目的を絞った対話を開始することを提案した」と発表し、理事会が「全会一致」で承認したと明かした。

 オーストラリアで五輪が開催されたのは、2000年のシドニー大会が最後となっている。

 インドや中国・上海も招致に関心を示していたと報じられており、カタールは昨年に招致を目指す考えを表明していた。また、韓国と北朝鮮が共催を目指すといわれていたほか、ドイツも北西部ノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州での開催に関心を示していた。

 詳細は伏せながらも「複数の団体から関心が寄せられた」と強調したバッハ会長は、「他の候補地に不利な決定ではない。一つの候補地を支持するという決定だ」と語った。

 バッハ会長は最終的な開催地決定ではないと明言したが、ブリスベン側と「より詳細な議論」が始まるとした。具体的な日程は公表していない。

 一方、将来開催地委員会のクリスティン・クロスターアーセン(Kristin Kloster Aasen)委員長も、2032年夏季五輪のブリスベン開催は「決定事項ではない」とくぎを刺し、「われわれの期待と合致しなくてはならない基準は多い」と付け加えた。(c)AFP