【2月26日 東方新報】中国人が好きな色と言えば、昔も今も圧倒的に赤。中国語では赤色は「紅色」と呼ぶ。春節(旧正月、Lunar New Year)期間中は祝いの言葉を書いた真っ赤な紙を門の周りに貼り付け、お年玉も赤い袋に入れて「紅包」と呼ぶ。春節を祝って街角で鳴らす爆竹も赤色だ。そしてコロナ禍が続く今年は「紅口罩(赤マスク)」が流行し、ウイルスを追い払おうとしている。

「中国版紅白歌合戦」ともいわれる国民的テレビ番組「春節聯歓晩会(春晩)」が旧暦の大みそかの今月11日、放映された。今年視聴者を驚かせたのは、会場の客がみんなそろいの赤マスクをつけていたことだった。中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」では「春晩紅」というキーワードが2億5000万千件に上り、5億4000万件もの書き込みがあった。

 インターネット通販では新年にちなんだマスクが2000種類近くある中、赤マスクが人気を呼んでいる。干支(えと)のウシやお祝いの言葉がデザインに入った赤マスクが多く売れているという。赤マスクは今年の春節の象徴となっており、ウイルスの専門家からは「デザインだけを重視せず、医学的効果のあるマスクを選ぶように」という注意喚起も行われている。

 中国では古くから、赤にはエネルギーの源というイメージがあり、邪気を払って財運や吉祥をもたらす「おめでたい色」とされている。春節以外でも結婚や開店などのハレの日は必ず赤いものを家に飾りつける。結婚は「紅事」と呼び、子どもが生まれた時は親戚や近所に赤く色づけた卵「紅蛋」を配る。

 そして例年、春節が近づくと、デパートやスーパーに真っ赤な下着が大量に置かれる。外国人が見るとその派手さに驚くほどだ。日本では「年男」「年女」というと良い意味で使われるが、中国では自分のえとの年はけがや病気をしやすいとされ、赤い下着を身に着けて邪気を払う風習がある。若者の間では「古い迷信」「かっこわるい」という意見も目立つが、子どもの無病息災を願う親が赤い下着を送ってくると、結局身に着けることが多いようだ。

 以前に比べれば中国も色にこだわらなくなっている。例えば中国で白色というと「葬式」「悲しみ」のイメージで慶事には敬遠されるが、最近は結婚式で真っ白なウエディングドレスをまとう新婦も増えた。それでもコロナ退治に赤マスクが流行する現状を見ると、何千年にもわたり信仰されてきた赤色は今後も「絶対エース」の座を保ちそうだ。(c)東方新報/AFPBB News