【2月24日 AFP】米国で1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で、州兵への出動要請が遅すぎるなど、治安・情報機関の致命的な弱点が浮き彫りになった。上院公聴会で23日、治安当局者が報告した。

 報告によると、最も深刻な過失は、連邦捜査局(FBI)が事件前日、過激派グループが「臨戦態勢で」首都ワシントンに乗り込んでいると警告する文書を送ったが、米議会警察(USCP)幹部には届かなかったというものだ。

 また、議会の状況悪化が明らかだったにもかかわらず、軍当局は部隊の派遣に「消極的」だったとも報告された。

 南北戦争(American Civil War)以来最悪の内乱とされる議会襲撃をめぐる公聴会は23日が初日で、報告は4時間にわたった。

 警察幹部らは、情報不足と対応における連携の欠如が原因で不意を打たれたと認めた。また、武装し組織化された暴徒に数で圧倒されたとも証言した。

 さらに、極右団体「プラウド・ボーイズ(Proud Boys)」などの過激派が1月6日にワシントンで問題を起こすと予告していたにもかかわらず、当局は大規模な暴動が起きる可能性について「ごくわずか」、「起こり得ない」と評価していたという。

 同事件の対応を問われ事件の数日後に辞任したUSCP前長官のスティーブン・サンド(Steven Sund)氏は、「重武装した数千人もの暴徒が米連邦議会議事堂を組織的に襲撃することを示唆する情報は、FBIを含むどの機関も出していなかった」と述べ、議会警察は暴徒に対抗する準備が全くできていなかったと説明した。

 サンド氏は、FBIからの警告がUSCPに届いたが、「事件発生時、自分を含む議会警察幹部には知らされていなかった」と語った。

 議会襲撃では警官1人を含む5人が死亡。その後まもなく警官2人が自殺している。(c)AFP/Michael Mathes