【2月24日 AFP】マレーシアは23日、ミャンマー人1000人超を送還した。ミャンマーでは今月初めに国軍がクーデターを起こしており、今回の送還をめぐっては、裁判所が中止を命じ、批判が集中していた。

 トラックやバスで軍事基地に到着したミャンマー人らは、同国海軍の船3隻でマレーシアを後にした。人権団体は、この中には弱い立場にある亡命希望者らもいるとしている。

 この計画については、米国や国連(UN)、複数の人権団体が批判。さらにマレーシア・クアラルンプールの裁判所も数時間前に、人権団体からの異議申し立てを審理する間の措置として、送還の一時中止を命じていた。

 しかし船は移民1086人を乗せて出発。当局は、裁判所命令に応じなかった理由を説明しなかった。

 マレーシア移民当局はこれに先立ち、送還者らの中にミャンマー国民として認められていないイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)や亡命希望者はいないとし、「全員自らの自由意思で帰国に応じており、強制の事実はない」と述べていた。

 しかし人権団体は、送還対象者には亡命希望者が含まれていないという当局の主張について、国連による適切な確認がなされなかったとして疑問視している。(c)AFP