【2月27日 AFP】レトロゲームで遊べる東京のゲームセンター「ゲーセンミカド(Mikado Game Center)」が通常、最もにぎわうのは夜だ。しかし、この頃は店が早く閉まってしまうため、「ストリートファイター(Street Fighter)」のファンらは行き場を失っている。

 まぶしくにぎやかなゲームセンターは、いまだ日本のどこでも見かける光景だが、新型コロナウイルス対策の営業時間短縮で打撃を受け、姿を消しつつある。

「本来なら、19時くらいから人が集まってくる時間帯」と嘆くのは、ゲーセンミカドの深町泰志(Yasushi Fukamachi)運営部本部長だ。店内ではレトロゲーム筐体(きょうたい)250台が、夜遊びする学生や仕事帰りの会社員を待ち受ける。

 時計は営業時間短縮中の閉店時間、午後8時に近づいている。マスクを着けた数十人のゲーマーたちがジョイスティックを握りしめ、退店を促されるまでの数分の勝負に挑んでいる。

 1月上旬以来、東京など日本各地で新型コロナ感染拡大抑止のための緊急事態宣言が出ている。商業施設は閉店時間を早めるよう要請され、拒否する店は罰金を科される可能性もある。

 しかし、ゲーセンミカドのような娯楽施設は飲食店とは異なり、収入減に対して支払われる公的な補助金の対象外だ。

 昨年の1回目のコロナ緊急事態宣言の際には、ほとんどのゲームセンターが2か月間休業した。その後、一部のゲームセンターはつぶれ、生き残った店も苦戦している。

 1回目の宣言解除後「なかなか客足は戻らなかった」が、11月までに売り上げは通常の9割ぐらいまで回復していたと深町氏はAFPに語った。しかし、東京などでコロナ感染が再拡大し、昨年末には売り上げが5割程度まで落ち込んだという。

 ゲーム機の間にプラスチックの仕切り板を設置したり、店内で使う100円玉を毎日除菌したりと感染対策を講じたが、客足は遠のいたままだった。