■「スペースインベーダー」

 コロナ禍以前も「小さい店がどんどん、どんどんなくなっていた」と語るのは、ゲームセンター経営の経験があるライターの鴫原盛之(Morihiro Shigihara)氏だ。

 ゲームセンターを監督する警察によると、大人気ゲーム「スペースインベーダー(Space Invaders)」が発表されて約10年後の1989年には、日本全国のゲームセンターの数は2万2000店だった。それが2019年には4000店まで減少した。

 さらに昨年末以降は、東京にあるいくつかの有名店まで廃業している。「比較的お金があって規模の大きい店でも閉店しているのが、最近の特徴なんです」と鴫原氏は述べた。

 ゲーム大手セガ(Sega)は昨年11月、ゲームセンター運営事業の85%を売却した。

 ユーザーが家庭用ゲーム機を所持していることも多く、モバイルゲームとの競争に直面する中、ゲームセンターは生き延びるために変化を強いられた。

 日本アミューズメント産業協会(JAIA)によると現在、典型的なゲームセンターの売り上げの半分以上はクレーンゲームが占めているという。

 ゲームセンターの売り上げのうち、1993年には3分の1を占めていたビデオゲームによる売り上げは、2017年にはわずか13%だった。