■ゲーマーの絆

 ゲームセンターは今や多くの国で珍しい存在になっている。ところが日本の都市部では、狭い居住空間に代わるスペースとして、また熱心なゲーマーらの交流の場として地位を保っている。

 ゲーセンミカドの常連客、ナカニシアツシ(Atsushi Nakanishi)さん(43)にとって「ゲームセンターに来る醍醐味(だいごみ)の一つ」は、他の客から「ゲームに向き合う考え方」を聞くことだと言う。

 スズキヒロシ(Hiroshi Suzuki)さん(28)は、行きつけのゲームセンターが閉店し、そこでの知り合いと連絡が取れない。「交流の場、コミュニケーションが取れる場が少なくなった」と嘆く。

 ゲーセンミカドの深町氏は、「うちはたぶんゴキブリのように」生き残ると言って笑った。昨春、初めてクラウドファンディングで約3700万円の資金を調達した。現在、2回目を計画中だ。「正直そこまでやらないと、もう立ち行かなくなっている」と言う。「政府は何もしてくれない」

 深町氏は、テレワークなどで外出控えが定着することを予想し、コロナ禍後の生き残り戦略も考えている。

 ゲーセンミカドは毎晩8万人のユーチューブ(YouTube)登録者に向けて、家庭用ゲームのプレー動画をライブ配信している。家にこもっているゲーマーを対象とし、広告収入を得るものだ。

「そういうふうに考えていかないと、他のところ(ゲームセンター)はちょっと厳しいことになってくる」と深町氏は警告した。(c)AFP/Mathias CENA