【2月17日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の男子シングルスで準決勝に進出した大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が16日、腹部を負傷した原因は14日間の隔離だと話した。

 ジョコビッチはさらに、今後のシーズンに向けてもっと良い方法が必要だと主張し、米プロバスケットボール(NBA)式の隔離環境「バブル」の導入も一つの手だと話している。

 今季の四大大会(グランドスラム)初戦となる今大会に向けては、選手と関係者を合わせて1000人以上がオーストラリア到着後に隔離生活を強いられ、ジョコビッチを含めた複数の選手がけがに苦しんでいる。

 他にはマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)も腹部のけがで4回戦に出場できず、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)は腰のけいれんが準々決勝敗退の一因になった。ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も腰に不安を抱えている。

 3回戦のテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)戦で負傷したジョコビッチは、今回のけがはグランドスラム出場中のものとしては一番ひどいと話している。

 準々決勝でアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)を退けた後の会見で、ジョコビッチは「今起こっていることは普通じゃない。これまでになかったものだ」とコメントした。

「もちろん、僕らが置かれていた状況と何か関係があるはずだ。つまり、14日か15日にわたって隔離された直後にグランドスラム前の大会、そして全豪オープンに出たこととね」

 今季はこうした機会が今後もあるとみられる。ジョコビッチは「多くの選手と話したが、その大半が、ほとんどの大会で隔離が必要ならシーズンを続けたくないと思っている」と選手たちが不満を持っていることを明かし、選手協議会(ATP Player Council)がATPの幹部と話し合っている最中だと続けた。

 世界中を転戦し、各地を簡単に移動できる必要があるプロテニスは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が原因で昨季は5か月にわたってシーズンが中断し、今季も大きな影響を受けている。

 今回も、出場選手は隔離を強いられたことに加え、クラスター発生を受けて開催地メルボルンのあるビクトリア(Victoria)州が5日間のロックダウン(都市封鎖)を実施したため、選手は衛生面の安全が確保されたバブルに戻らなければならず、観客の入場も禁止された。

 ジョコビッチによれば、検討中の意見の中には、昨季のNBAに似たバブルを用意し、一つの会場で複数の大会を開催する案もあるという。NBAは米フロリダ州のディズニー・ワールド(Disney World)内にバブルを設置し、シーズンを終わらせた。

 ジョコビッチは「何か手を考える必要がある。NBAのバブルのようなものかもしれないし、何人かの選手からはその話が出た。自分としては、そういうアイデアを話し合ってもいいと思う」と話している。(c)AFP