【2月17日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)は16日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、感情を爆発させてラケットを破壊しながらも6-7(6-8)、6-2、6-4、7-6(8-6)で第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に勝利し、自身39回目の四大大会(グランドスラム)の準決勝に進出した。

 負傷した腹部を気にしながらのプレーとなったジョコビッチは、安定しない内容ながらも精神的な強さを発揮し、3時間30分で勝利を収めた。

 序盤に調子が上がらず、その後もエース23本、ウイナー48本を決める一方でアンフォーストエラーが56本あったジョコビッチは「このコンディション(負傷)だから、体が温まるのに時間が必要だったが、実際にはよく体をひねれたと感じている」とコメントした。

「動きはだんだん良くなっていった。サーブも非常に良く、相手よりも少し多くエースを取れたと思う。自分からすれば奇跡だ」としたジョコビッチは、「ラケットを壊したら何だか集中力が戻ってきて、こちらの良い流れに変わっていった」と続けた。

 ジョコビッチは準決勝で、快進撃を続けるロシアの予選勝者アスラン・カラツェフ(Aslan Karatsev)と対戦し、決勝進出が有力視されている。

 世界ランキング114位のカラツェフについて、ジョコビッチは「大会前はプレーを見たことがなかった。フィジカルは強いし動きもいい。深い位置からでも非常に威力のあるショットを打てる。モチベーションも高いし、失うものは何もない」と話した。

 ジョコビッチはこれで、最多記録を更新する9回目の全豪制覇と、グランドスラム通算18勝へまた一歩近づいた。優勝が実現すれば、ライバルのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が持つ最多20勝の記録まであと二つに迫ることになる。(c)AFP