【2月15日 AFP】アルゼンチンに新自由主義的な経済政策を導入したことで知られるカルロス・メネム(Carlos Menem)元大統領が14日、ブエノスアイレスの病院で死去した。90歳。最近は健康状態がすぐれず、ここ数か月は肺炎で入退院を繰り返していた。

 アルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernandez)大統領は、メネム氏を悼み、3日間の国喪を宣言した。

 メネム氏は1930年7月、シリア系移民の家庭に生まれた。1989~99年に大統領を2期務め、公共事業の民営化を積極的に推進。対ドル為替を固定して経済の安定を導き、ハイパーインフレの沈静化をもたらしたことで「アルゼンチンの奇跡」とたたえられた。

 だが、これらの政策の結果、2001年の経済危機が起きたというのが一般的な認識となっている。政権2期目の終盤は財政赤字が60億ドル(約6300億円)に膨れ上がり、失業率も14%に増加して、人口の3分の1が貧困状態に陥った。

 一度は3期目を志すも出馬を取り下げ、その後は2005年の上院選で当選し、2度再選を果たした。選挙では負けたことがなく、それを誇りにしていた。(c)AFP/Nina NEGRON