【2月13日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)は12日、男子シングルス3回戦が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は7-6(7-1)、6-4、3-6、4-6、6-2で第27シードのテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)との激闘を制し、4回戦に進出した。

 世界ランキング1位のジョコビッチは、試合中に腹筋の「肉離れ」に見舞われたり、観客から騒々しいやじを飛ばされたりするなどして調子に波があったが、逆境をはねのけて自身いわく「最も特別」な勝利の一つを収めた。

 しかしながら、第14シードのミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)との4回戦までに体を回復させる時間との闘いに遭遇したことを認め、「筋肉の断裂だ。だから、2日間で回復できるか分からない」と語った。

 順調な試合運びをしていたかにみえたジョコビッチだったが、第3セットの序盤にメディカルタイムアウトを取ることを余儀なくされ、その後は顔をゆがめる場面が多く見られた。しかし、第5セットでは死力を尽くしてビッグサーバーのフリッツを消耗させ、3時間25分の末に勝利を手にした。

 第4セットの終盤にかけて調子が上がり始めたと感じ、その状態を維持するように心掛けながら前向きにプレーしていたというジョコビッチは、「これは人生で最も特別な勝利の一つに間違いない」と喜びをかみしめていた。

 その一方で、この日のロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)ではフラストレーションを見せる場面も多かった。4セットに及ぶ厳しい戦いとなったフランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)との2回戦に続き、今大会の米国勢では最高シードで向こう見ずなフリッツにいら立ちを募らせていた。

 第2セットの第4ゲームでは、クラウドノイズにサービスのモーションを途中で止めて騒々しいファンに抗議。するとフリッツの味方についたファンから大きなやじを飛ばされたものの、このサービスゲームを見事にキープし、自分をからかう観客に向かって荒々しく歓喜した。

 これで奮い立ったジョコビッチは、勢いを取り戻して快勝するかに思われた後、思わぬけがに見舞われた。(c)AFP