【2月7日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は6日、新型コロナウイルスの流行で失業したカリフォルニア州の女性と直接話した。大統領と国民の結びつきを示す狙いがある。

 ホワイトハウス(White House)のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は5日、「ホワイトハウスは大統領が定期的に直接米国民と話す新しい取り組みを始める」と発表していた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行しているため、会話はホワイトハウスの大統領執務室(Oval Office)から電話で行われた。相手となったのは、子供を育てながら新興企業で働いていたがコロナ禍で失業し、新しい仕事を探す苦労についてバイデン氏に手紙を出していたカリフォルニア州ローズビル(Roseville)在住のミシェルさんという女性。名字は明らかにされていない。

 ホワイトハウスは会話の模様を撮影した動画をネットで公開。その中でバイデン氏は、「私の父がよく言っていたように、仕事とは単にお金を稼ぐことだけではなく、人の尊厳であり、人を尊重することであり、人にとって社会における居場所だ」と述べた。

 バイデン氏は、与党民主党が議会通過を目指している1兆9000億ドル(約200兆円)規模の経済対策や、バイデン氏が約束した大規模なワクチン接種についても話した。

 国民との直接対話でバイデン氏は、国民への共感とドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領との違いを打ち出そうとしている。トランプ氏には、コロナ禍とそれによる経済危機で苦境にある多くの米国人を気遣っていないとの批判があった。

 バイデン氏の電話は、1930年代にフランクリン・D・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt)大統領がホワイトハウスからラジオで直接国民に語りかけた「炉辺談話(fireside chat)」を、ソーシャルメディア時代の現代によみがえらせようとするものだといえる。(c)AFP