【2月2日 AFP】中国は1日、二酸化炭素の排出量取引制度(ETS)の運用を開始した。世界最大の排出国である中国は、2060年までの脱炭素経済実現を目指している。

 この制度により、地方自治体が大手電力事業者に排出量の上限を課すことが初めて認められた。また企業は、原材料調達から廃棄・リサイクルまでに出る温室効果ガス排出量を二酸化炭素(CO2)に換算した「カーボンフットプリント(CFP)」の少ない他企業から、排出権を購入することができる。

 電力事業者による排出権が高額になることにより、排出量全体の削減が期待されている。制度の運用開始は当初、2017年に予定されていた。
 
 国営新華社(Xinhua)通信によると、ETSの対象は、温室効果ガス排出量が年間計2万6000トンを超える電力事業者2200社以上。欧州連合(EU)の域内制度を抜いて世界最大のETSとなる見通しだ。

 しかし他の7業界での排出量削減計画は保留となっている。また専門家らは、中国の石炭生産は実は拡大していると警鐘を鳴らしている。

 中国の電力の約60%はいまだ石炭火力発電で賄われており、有力な業界ロビー団体が、より有利な排出量上限を強く要求していくことが予想されている。(c)AFP