■当局の主張に農家から異論

 世界のサフランの90%近くがイランで栽培されているが、カシミールで栽培されるサフランは深紅色で独特の香りがするため、品質が優れていると専門家らは見なしている。

 2010年には、インドの関係当局が現代的な農業技術を農家に導入する目的で5400万ドル(約56億円)の基金を設立し、気候変動によるダメージに歯止めをかけることを目指した。

 当局はこの取り組みが成功を収めていると自賛し、カシミールの3700エーカー(約1500ヘクタール)に及ぶサフラン畑を再活性化させていると主張している。

 だが、農家の人々は異論を唱えている。人々はプラスチック製のかんがい用パイプが水をほとんど運んでこない上、畑を耕すのに邪魔になるとして、パイプを引き剥がしてしまった。

 また、当局の計画の下に導入された高収量品種のせいで自分のサフランが台無しになったと主張する人々もいる。

 他方でリンゴの方が必要な水の量が少ないとの理由から、サフラン畑を果樹園に変えようとしている農家もあるという。(c)AFP/Parvaiz BUKHARI