【9月26日 AFP】米ニューヨークの国連(UN)本部で開幕した「持続可能な開発サミット」で加盟国首脳らは25日、極度の貧困撲滅など2030年までに世界が協力して達成すべき目標を全会一致で採択した。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は、国連の行動計画「持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030 Agenda for Sustainable Development)」を「希望の重要な兆し」として歓迎し、2030年までに世界を変革する約束を果たすよう首脳らを促した。

 教皇は国連で行った初の演説で、「約束は、遂行する決意を欠くならば無価値だ」と警鐘を鳴らした。「固い約束は解決への不可欠な一歩ではあるが、それだけでは不十分だ」として、環境の保護と弱者の社会的排除の撲滅のために「具体的な対策と即時の措置」を講じるよう首脳らに呼び掛けた。

 サミット開幕時に採択された17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」は、史上最も包括的な貧困撲滅計画とうたわれており、交渉は3年に及んだ。

 2030アジェンダが目標に掲げているのは、2030年までに年間3兆5000億~5兆ドル(約380兆~540兆円)の資金を投じ、貧困の撲滅、健康的な生活の確保、教育の推進、気候変動などへの対処を行うことだ。

 国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、2030アジェンダを「より良い世界への普遍的、総合的、革新的な展望」を提示した「人類と地球のやることリスト」と表現した。

 潘事務総長は各国首脳らに対し、役割を果たす決意があるのなら、まず行動すべきだと語った。「あらゆる人、あらゆる場所での行動が必要になる」 (c)AFP/Carole LANDRY