【11月11日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は10日、北京(Beijing)で開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)の歓迎夕食会の席で、毎朝起きて最初に同市の大気汚染の状態について確認していると述べた。

 北京市は推奨暴露限界値をはるかに超える粒子状物質(PM)を含み、悪臭が鼻を突き、息も詰まるほどの煙霧にたびたび見舞われている。大気汚染に対する市民の怒りは募り、観光客は遠ざかり、中国共産党政府にとって屈辱的な事態になっている。

 APEC開催期間中、この悪名高いスモッグが発生しないよう、当局はあらゆるものを停止させた。北京市と周辺地域では厳しい交通制限が課され、工場は一時停止を命じられ、公務員は休暇を与えられた。この結果、市内の空は驚くほど青く晴れ上がり、インターネット上ではこの一時的な現象が「APECブルー」と名付けられたほどだ。習主席自身、10日にはこの「APECブルー」という言葉を用いた。

 習氏はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領など各国首脳らを招いた夕食会で「最近私が朝一番にすることといえば、北京市の大気の状態を確認することだ。皆様がここに滞在する間、スモッグがひどくならず、快適に過ごしていただけるよう願っている。私の願いは北京だけではなく中国全土で青々とした空と山、水の澄んだ川を毎日目にすることができ、子供たちが良好な環境の中で暮らしていけることだ」と述べた。(c)AFP