【9月25日 AFP】元サッカー選手で、モデルでもあり、4児の父でもあるデビッド・ベッカム(David Beckham)氏は24日、米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部に赴き、各国首脳に対して児童虐待の撲滅を訴えた。

 元イングランド代表主将のベッカム氏は、国連総会(UN General Assembly)が今週末に採択する予定の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の中心に子どもたちを据えるよう、各国の代表団に対して呼びかけた。

 多くの目標は子どもたちの問題に直結するもので、質の高い教育の確保、貧困の撲滅、食料の安全性の提供、栄養改善、そして持続可能な農業の促進などが掲げられている。

 11年前から国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の親善大使を務めているベッカム氏は、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)事務総長も出席したイベントで、2014年は「子どもたちにとって、最も悲惨な年の一つに記録された」と強調した。

 ベッカム氏は、1500万人の子どもたちが「極限の暴力にさらされ、さらに多くが自然災害の犠牲になっている」と警告し、「2015年は深刻な状況にあることが判明している」と訴えている。

 現役時代はマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やレアル・マドリード(Real Madrid)、そしてロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)で活躍した40歳のベッカム氏は、「ユニセフ親善大使として、そして一人の父親として、子どもたちが苦しみ続けているのを目にするのは胸が張り裂ける思いです」と語った。

「子どもたちは皆、より良い未来という同じ希望を共有しています。世界が新たな目標に突き進めば、希望が現実になる機会が訪れます」

 潘事務総長とベッカム氏は、国連本部のロビーに設置されたデジタル掲示板のお披露目に立ち会った。そこには、世界中の子どもたちが未来に向けて発信する生活や希望に関するメッセージが流されている。

 ベッカム氏は、「子どもは皆、声を上げているが、その多くは聞き逃されてしまうことがある」とし、「この重大な時期に、世界の指導者がニューヨークへ集まっているからには、彼らの声は傾聴されるはずです」と語った。(c)AFP