二重スパイの故ブレイク氏家族、名前利用し金もうけ試みた疑い 英政府文書
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【12月30日 AFP】英国人二重スパイ、故ジョージ・ブレイク(George Blake)氏が英刑務所を脱獄し旧ソ連に逃れた後、家族が同氏の名前を利用して稼ごうとした疑いがあることが、英政府が30日に公開した文書で明らかになった。
国立公文書館(National Archives)が公開した内閣府文書は1969年の日付になっている。この3年前にブレイク氏は、ソ連の国家保安委員会(KGB)の情報員であることが発覚し、収監された英刑務所から脱獄、モスクワに逃れた。
公開された文書の中には、諜報(ちょうほう)当局高官の手紙も含まれており、そこには英BBCがブレイク氏にインタビューを申し込むために、同氏の家族に連絡を取ったと書かれている。
合同情報委員会(JIC)で当時委員長を務めていたエドワード・ペック(Edward Peck)氏は最高機密文書で、ブレイク氏の母親と姉妹が過去に、「かなりの金額」目当てにブレイク氏にインタビューを受けるよう促していたと書いている。
ブレイク氏は今月26日、98歳で死去した。
同氏は第2次世界大戦(World War II)中、英諜報機関に勤務していたが、共産主義に共感を抱くようになりソ連のスパイとなった。二重スパイであることが露呈し、禁錮42年の刑を科されたが、1966年に脱獄、東ドイツを経由してソ連に逃れた。
ペック氏は、上級外交官がBBCや民放監督機関ITAのトップと「非公式に」話し合い、ブレイク氏の家族を説得するよう提案した。ペック氏は、ブレイク氏に自らの裏切り行為を美化する機会を与えるべきではなく、またブレイク氏は自らの犯罪から利益を得るべきではないと述べている。(c)AFP