コロナは「必ずしも大惨事ではない」 将来のパンデミックに警鐘 WHO
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【12月29日 AFP】世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は深刻だが「必ずしも大惨事ではない」との見解を示した上で、将来さらに悲惨なパンデミックが起こり得るとして世界各国に「真剣に」備えるよう呼び掛けた。
WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、新型コロナウイルス対策に明け暮れた1年を振り返る会見で、「これは警鐘にすぎない」と述べた。
世界で8000万人以上が感染し、180万人近くが死亡した新型コロナウイルスのパンデミックは「非常に深刻」で、「あっという間に世界中に広がり、地球のあらゆる場所に影響を及ぼしてきた」とライアン氏は認めた。
一方で「しかし、これは必ずしも大惨事ではない」と発言。新型コロナは非常に感染しやすく、人を死に至らしめることもあるが、「現時点での致死率は他の新興感染症と比べてかなり低い」と強調し、「将来起こり得るもっと悲惨なものに備えなければならない」と訴えた。
WHO上級顧問のブルース・エイルワード(Bruce Aylward)氏も、世界は新型コロナ危機に対応する中で、記録的な速さでのワクチン開発など大きな科学的進歩を果たしたが、将来のさまざまなパンデミックを防ぐには程遠いと指摘。新型コロナは「第2波、第3波に入っているが、われわれはそれらに対処する準備がまだできていない」と述べ、「改善されてはいるが…今回の備えが完全でない以上、次については言うまでもない」と語った。(c)AFP