【12月25日 AFP】フランスで、新型コロナウイルス対策としてスキーが事実上禁止されたことを受け、スノーシュー(西洋かんじき)の需要が急増している。仏スノーシュー製造大手TSLスポーツイクイップメント(TSL Sport Equipment)が24日、明らかにした。

 TSLのオーナー、フィリップ・ギャレ(Philippe Gallay)氏によると、今季のスノーシューの1日の販売数は、例年の2倍となる2000足。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がリフトの運行禁止を命じた11月24日以降は、1万足に上る日もあった。

 フランス政府は、スキーリゾートの営業を認める一方、スキー客が行列をつくれば新型ウイルスの感染拡大を助長しかねないとの懸念から、リフトの運行を来年1月まで禁止。レストランやカフェも国内各地と同様に営業を禁じた。

 ギャレ氏は、今春のロックダウン(都市封鎖)中に起きたトイレットペーパーの買いだめ騒動と「同じような現象が起きている」と語った。

 スノーシューイング(スノーシューを履いて雪原などを歩くスポーツ)は、フランスの人気ウインタースポーツランキングでスキーに次ぐ2位につけていたが、今季は首位に躍り出た。

 ギャレ氏は、「みんなが山を楽しみたがっているが、スキーはできない。だからスノーシューイングをしている」と語った。

 TSLは需要に応えるため、今季のスタッフの数を例年の倍の100人に増やしたが、それでもまだ約4万5000足を納品できていない。増やしたスタッフの多くは、リフトの運行再開を待つ間も働かなければならないスキーのインストラクターと、季節労働者だ。

 TSLは、今年のスノーシューの販売数が20万足、売上高が約1000万ユーロ(約12億6000万円)に上ると見込んでいる。(c)AFP