スウェーデンで第2波猛威、コロナ対策「失敗した」と国王
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【12月18日 AFP】(更新)強制力を伴わない独自の新型コロナウイルス対策で物議を醸してきたスウェーデンが、予想外に大きな感染第2波の猛威に苦しんでいる。カール16世グスタフ国王(King Carl XVI Gustaf)は、国内で多くの死者が出ている点に触れ、「われわれは失敗したと思う」と述べた。
グスタフ国王の発言は、今年1年間を振り返る公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)のインタビューでのもの。番組の予告編が17日に放映された。
専門家らは国王の口調が珍しく厳しかった点に注目しており、政府の政策への強い非難と受け止める声もある。スウェーデンは象徴君主制で、国王は政治的な発言を控えるのが通例。
スウェーデン王室はAFPの取材に、国王の発言は「政治的ではない」と強調。スウェーデン社会全体について言及したもので、「パンデミック(世界的な大流行)により影響を受けたすべての人々に共感を示した」だけだと説明した。
■11月から死者増加、「パンデミック法」制定急ぐ
17日現在、入院中の新型コロナ感染者数は2500人を超え、4月下旬の感染第1波のピーク時を上回った。一方、集中治療室内の患者数は4月の半分程度にとどまっている。新型コロナ感染に関連する死者数は16日時点で累計7802人となった。このうち1800人以上が11月1日以降の死者で、先週だけで500人以上が亡くなっている。
新型コロナ対策でスウェーデンは、強制力のある措置をほとんど取らず、マスク着用も義務化しないなど独自路線を貫いてきた。市民の「責任感」に頼る方針で、感染対策の勧告を無視しても罰則はない。
メディアが「集団免疫」戦略だと報じる一方、スウェーデン政府が公式に集団免疫獲得を目指していると表明したことはない。ただ、保健当局者らは、春に感染者が多かったことで第2波は弱まるだろうとの見解を示していた。
ステファン・ロベーン(Stefan Lofven)首相は17日、記者会見で国王の発言について問われ、政府がすでに認めたことを繰り返しただけとの認識を表明。「もちろん、これほど多くの国民が亡くなったという事実は、失敗としか考えられない」と述べた上で、戦略全体の「真の結論が導き出されるのは、パンデミックを乗り越えた後になる」と付け加えた。
政府は、来年3月の施行をめどに1年間限定の「パンデミック法」の制定を目指している。施行されれば、公共の場に集まってもよい人数の制限や、事業者の営業時間・サービス提供時間の短縮や休業の命令が閣僚レベルで可能になる。(c)AFP/Marc PRÉEL, Johannes LEDEL