【12月14日 AFP】(更新、写真追加)スパイ小説の名手として知られる英作家ジョン・ル・カレ(John Le Carre)氏が12日夜、死去した。89歳。家族が明らかにした。

 家族によると、本名をデービッド・コーンウェル(David Cornwell)というル・カレ氏は12日夜、イングランド南西部コーンワル(Cornwall)の病院で、肺炎のため亡くなった。

 ル・カレ氏は、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(Tinker Tailor Soldier Spy)」や「寒い国から帰ってきたスパイ(The Spy Who Came in from the Cold)」などの東西冷戦(Cold War)時を舞台としたスパイ小説で知られる。

「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」はドラマ化された後、2011年に『裏切りのサーカス』として映画化され、英俳優ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)が主演した。

 ル・カレ氏は60年にわたるキャリアの中で、小説25作品、回顧録1作品を執筆。世界で約6000万部を売り上げた。2019年10月に出版された「スパイはいまも謀略の地に(Agent Running in the Field)」が最後の作品となった。(c)AFP