【12月14日 AFP】アゼルバイジャンは13日、係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で起きた紛争で、先月初旬にアルメニア系の分離派と合意した停戦以降、新たに自国兵4人が死亡したと明らかにした。両国とも、停戦合意に違反したとしてお互いを非難している。

 アゼルバイジャン国防省によると、アルメニア兵グループは停戦合意に違反しナゴルノカラバフに居残り、アゼルバイジャン軍に対して攻撃を仕掛けた。先月26日には、アルメニア系分離派の奇襲攻撃によりアゼルバイジャン兵3人が死亡。今月8日にも、ナゴルノカラバフ南部ハドルト(Hadrut)での攻撃によりアゼルバイジャン兵1人が死亡した。

 一方、アルメニアは13日、11日夜に起きた小競り合いの後、アゼルバイジャン兵と衝突した分離派兵士6人が負傷したと発表した。アルメニア国防省によると12日、ハドルト近くで数時間にわたる戦闘が発生。重砲による攻撃を含み、アルメニア側はアゼルバイジャンが同地域での軍事的な存在感を強めたと主張している。6人の負傷を発表したアルメニア国防省は、同地での戦闘はアゼルバイジャン人による「挑発」だとした。

 アルメニア国防省は、新たに発生した戦闘をめぐり、アルメニア・ロシア両国国防相がモスクワで会談した際に協議が行われたとも明らかにした。アルメニア外務省によると、戦闘は翌13日まで続いたという。

 アゼルバイジャンは13日、自国兵が死亡した攻撃を受けた措置として、対テロ作戦の実施を余儀なくされたとしている。

 アゼルバイジャンに位置し、同国から分離したナゴルノカラバフの支配権をめぐり、アルメニアとアゼルバイジャンは長らく敵対関係にあった。今年9月にアルメニアが支援する分離派とアゼルバイジャンの間で始まった紛争は6週間にわたり続いたが、ロシアの仲介により先月10日、停戦合意が成立。アルメニア側はナゴルノカラバフから撤退することとなった。(c)AFP