【10月1日 AFP】アルメニアの首都エレバンにある軍の新兵募集事務所の前には、隣国アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorny Karabakh)で激化する戦闘に加わろうと集まった男たち数十人がたむろしていた。早々と軍服を着込んだ人もいれば、ひたすらたばこを吸い続けている人もいる。

 新兵募集事務所は、エレバン北西部のアラビヤン通り(Alabyan Street)に立つ旧ソビエト連邦時代の建物に入っている。徒歩や車でやって来る新兵候補の列は途切れることなく、その中には徴兵された人もいれば、志願者もいる。

「私たちは、侵略者から祖国を守るため行動しなければならない」。工場労働者の男性(32)は、先月27日に宿敵アゼルバイジャンとの戦闘が再燃したことを受け、多くの人が参戦を切望しているとAFPの取材に語った。

「われわれの土地だ。死ぬまで手放さない」「ここには18歳から高齢者まで集まっている。皆、何のために戦っているのかよく分かっている」

 アゼルバイジャンの自治州だったナゴルノカラバフでは1990年初頭、ソ連崩壊後の混乱の中で多数派のアルメニア系住民がアゼルバイジャンからの分離を求め、独立を宣言。以来、両国は同地をめぐって対立を続けてきた。先月27日に発生した衝突は、ここ数年で最も激しい戦闘に発展しており、これまでに100人以上が死亡、両国は互いに相手へ大損害を与えたと主張している。

 この劇的な軍事的緊張の高まりを受けて、両国では徴兵適齢の男性が続々と志願して戦地へ向かっている。

 エレバン市内では、一部の建物に巨大な国旗が掲げられていたり、献血所に住民が行列をつくったりしているほかは、戦闘の激化を物語る兆候はない。だが、新兵募集事務所では、愛国心の高まりが特にはっきりと見て取れる。

 入隊志願者だという教師の男性(63)は、「これは死闘だ」と語った。(c)AFP/Maxime POPOV