【12月13日 AFP】(更新)ボクシング、WBAスーパー・IBF・WBO・IBO世界ヘビー級タイトルマッチが英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われ、王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)がクブラト・プレフ(Kubrat Pulev、ブルガリア)に9回KO勝ちを収め、タイトルを防衛した。

 圧勝を飾ったジョシュアは、これで来年実現する可能性があるWBC王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)との統一戦に前進。

 試合後に「自分は誰だっていい。2021年にジョシュア対フューリーを見たい人はいるか?」と、歓声を上げる1000人のファンに呼びかけると、「2013年にプロになって以来、ずっとベルトを追い求めてきた」「ベルトを持っている選手がいるなら、その選手とぜひ戦いたい。それがタイソン・フューリーなら相手はタイソン・フューリーだ」と話し、タイトル統一に意欲を示した。

 この日のジョシュアは、2014年のウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)戦以外負けのなかったプレフに格の違いを見せつけた。

 まずは3回、プレフをロープ際に追い詰めてからの猛烈な連打で2度のダウンを奪うと、その後はなぜかアクセルを緩めて踏みとどまるチャンスを与えたが、迎えた9回に3連続アッパーでまたしてもマットに沈め、今度は再び立ち上がる隙を与えなかった。

 アンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)との1回目の対戦に敗れた昨年と同じ轍(てつ)は踏まなかったジョシュアは、これで戦績を24勝1敗としている。

 待望されているジョシュア対フューリー戦は、今年6月に基本合意に達し、ついにゴーサインが出されていた。今週にはジョシュアのプロモーターを務めるエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏が、対戦が実現する可能性について「ほぼ100パーセント」だと話している。

 2月にデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)を撃破して以来、リングから遠ざかっているフューリーも、ジョシュアとの対戦を希望し、試合後SNSに「俺は戦いたい。次の試合がしたい」「3ラウンド以内にKOしてやる」と書き込んでいる。

 しかし、フューリーはジョシュア戦の前にワイルダーと3度目の対戦を契約で強いられる可能性がある。物議を醸すドローに終わった第1戦を経てフューリーが再戦で勝利した後、ワイルダーは再戦条項を行使していたが、今年予定されていた3度目の対戦は新型コロナウイルスの影響で延期になっている。(c)AFP/Kieran CANNING