【12月12日 AFP】米国は11日、米製薬大手モデルナ(Moderna)が開発した新型コロナウイルスワクチン候補1億回分を追加購入すると発表した。一方でファイザー(Pfizer)製のワクチンをめぐっては、米政府が追加購入の機会を逃したと報じられている。

 この合意で、米国がモデルナから購入するワクチンは計2億回分となる。1人に2回接種する必要があるため1億人分の量だ。

 モデルナの発表によると、最初の1億回分の供給は2021年第1四半期(1~3月)に完了し、追加購入分は第2四半期(4~6月)に供給される見込みだという。

 モデルナと米国立衛生研究所(NIH)が共同開発したワクチン「mRNA-1273」に割り当てられた米連邦政府資金の総額は、現在41億ドル(約4300億円)に達している。

 米政府によるワクチンの追加購入をめぐっては、ファイザーと独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)への発注量を、当初発注した1億回分より増やさないことを米政府が夏の間に決めていたと報じられたばかり。これにより米国以外の国がファイザーとビオンテックのワクチンを購入できるようになった。

 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日、採決の結果ファイザー製ワクチンの使用を勧告した。モデルナのワクチンと同様に2回の接種が必要となる同ワクチンの緊急使用が、数日内に許可される見通しだ。

 モデルナとNIHのワクチンについても17日に同様の諮問委員会が開かれ、その後まもなく緊急使用が承認される可能性がある。(c)AFP