【12月11日 AFP】香港の治安当局は11日、民主派の香港紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」創業者で中国政府に批判的な黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏(73)を、香港国家安全維持法(国安法)に基づき「外国勢力と結託した罪」で起訴した。香港では、国安法による民主活動家の起訴が相次いでいる。

 黎氏は香港メディア界の大物で、国安法違反で起訴された中では最も著名な人物。警察発表によると、香港に新設された国家安全課が捜査を行い、黎氏を「外国や外部勢力と結託して国家の安全を危険にさらした罪1件」で起訴した。国安法違反は有罪なら最高で禁錮1年に相当する。

「蘋果日報」は香港最大の発行部数を誇る大衆紙で、民主派を明言し、当局を激しく批判する論調で人気がある。香港警察は8月、同紙本社を家宅捜索し、黎氏を含む幹部らを「外国勢力と結託した」疑いで逮捕。黎氏はいったん保釈されたが、今月3日に詐欺罪で起訴され、保釈を認められず現在も勾留されている。(c)AFP