【12月10日 AFP】サッカーAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2020)のグループステージ敗退後、カタールに足止めされている広州恒大(Guangzhou Evergrande FC、中国)の選手たちは、ホームシックにかかっており、帰国したくてたまらないと嘆いている。

 ファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)監督が率いる広州に、上海上港(Shanghai SIPG)と上海申花(Shanghai Shenhua)を加えた中国スーパーリーグ(1部)の3チームは、敗退が決定したにもかかわらずカタールに滞在しており、報道によればチャーター便が承認されるのを待っている段階だという。上海申花に関しては、優勝の望みが絶たれてからすでに1週間も缶詰め状態となっている。

 今季の大会は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響により、カタールの安全な隔離環境「バブル」内の無観客のスタジアムで行われている。

 国際プロサッカー選手会(FIFPro)は以前、2022年W杯(2022 World Cup)開催国であるカタールで今大会を集中開催することについて、選手側に相談がなかったとしてアジア・サッカー連盟(AFC)を非難していた。

 そんな中、広州の選手たちからは不満の声が出ている。

 厳鼎皓(Dinghao Yan)は、中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」に「崩壊する寸前。本当にホームシックなんだ」とアップした。

 何超(Chao He)も「いつになれば僕らは帰国できるの????」とつづり、韋世豪(Shihao Wei)は「ホテルの部屋にこもることしかできない。家族にも会えない。家に帰りたい」と投稿した。

 上海紙・新聞晨報(Shanghai Morning Post)は10日、選手たちは国内のリーグ戦が開催されている間、家族と離れた状態ですでに数か月を過ごしており、「身体的にも精神的にも疲弊している」と記した。

 同紙によれば、10日に準々決勝の試合を控えている北京国安(Beijing Guoan)を含め、今大会に出場した中国の4クラブは、そもそもカタールに行きたくないという「願望を公にしていた」という。

 また同紙は、チームが大会に残っている間はAFCが食事やホテルの宿泊費を補助しているものの、敗退決定後はクラブが費用を持たなければならいとも伝えている。

 AFCはAFPに対し、「現在、中国当局による手続きとプロトコルの確立を待っている」クラブを支援すべく最大限の努力をしているとし、「その間、AFCと現地大会組織委員会は、出発の手配がまとまるまで、すべての選手とクラブ関係者が可能な限りのサポートとケアを受けられるよう取り組んでいる」と述べている。(c)AFP