【12月9日 AFP】英オックスフォード大学(University of Oxford)と英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)は8日、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)最終段階である第3相試験の結果を世界で初めて学術誌に発表した。安全で有効なワクチンの開発に向け世界各地で続く競争は大きな節目を迎えた。

 権威ある英医学誌ランセット(The Lancet)に発表された論文によると、同ワクチンの有効性は平均70%。接種は2回に分けて行われ、いずれも全量を接種した場合の有効性は62%、初回のみ量を半分に減らした場合では90%だった。

 アストラゼネカとオックスフォード大は先月、合計2万3000人を対象に異なる条件で実施した治験結果の概要を発表。だが初回に規定の半量を接種する方法は間違いから発見され、対象となった参加者も少数だったことから、結果を疑問視する声が上がっていた。

 今回発表された論文では、半量接種の対象となった1367人に55歳以上の成人が含まれていなかったことが確認された。著者らは、論文査読者に提出した追加分析結果では、半量接種を受けた集団で有効性が向上したのは年齢などの他の要因によるものではないことが示されたと説明。ただし、さらなる研究が必要であるとも指摘した。(c)AFP/Kelly MACNAMARA