【12月9日 CNS】中国国家統計局によると、年商2000万元(約3億2000万円)以上の工業企業による1~10月の利益総額は前年同期比0.7%増の5兆124億2000万元(約79兆円)に達した。1~9月は前年同期比2.4%減で、利益伸び率が今年初めてプラスに転じた。

 企業形態別でみると、国有企業の利益総額は前年同期比7.5%減の1兆2942億元(約20兆7000億円)。集団所有制企業(国有企業に近い会社から実質民間の株式会社までを含む)は0.4%増の3兆5417億元(約56兆6000億円)だった。外資系及び香港、マカオ、台湾系企業は3.5%増の1兆4095億元(約22兆5000億円)、私営企業は1.1%増の1兆1483億元(約18兆円)だった。

10月末現在で年商2000万元以上の工業企業の資産は前年同期比6.9%増の124兆9600億元(約1993兆円)、負債総額は6.8%増の70兆7200億元(約1131兆円)。

 国家統計局工業局上級統計師の朱虹(Zhu Hong)氏は「新型コロナウイルスの抑制と経済活動の再開を成功させたことで、産業循環が好転し、工業企業の経営態勢がさらに強固になっている」と説明。業種別では41業種のうち6割超の25業種で利益が増加したという。電子製品や自動車といった装備製造業と消費者向け製造業の利益増加が著しく、原料製造業の利益も大幅に改善。外資系企業、私営企業の利益も好転し、工業製品の在庫が順調に解消されている。

 朱氏は「全体的には工業企業の累積利益が増えているが、(製品を先に渡し代金を後日受け取る)売掛金も増えており、キャッシュ・フローへのプレッシャーが強くなっている。企業の継続的な生産回復には不利なので注意が必要だ」と指摘した。(c)CNS-中新経緯/JCM/AFPBB News