【7月29日 CNS】中国国家統計局によると、今年上半期の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比マイナス1.6%の45兆6614億元(約684兆8479億円)。31の省・直轄市・自治区は25日時点で黒竜江省(Heilongjiang)を除き、それぞれ上半期の域内総生産(GDP)を発表した。新型コロナウイルスの影響で経済は大きな打撃を受けたが、16の省・自治区・直轄市はプラス成長を遂げた。

 トップは広東省(Guangdong)の4兆9234億2000万元(約73兆8434億円)で、2位は江蘇省(Jiangsu)の4兆6722億9200万元(約70億769億円)、3位は山東省(Shandong)の3兆3025億8000万元(約49億5334万円)だった。続いて浙江省(Zhejiang)、河南省(Henan)、四川省(Sichuan)が4〜6位にランクインした。

 意外なことに上海市はトップ10に入らず、上半期のGDPは前年同期比2.6%減の1兆7356億8000万元(約26兆324億円)にとどまった。上海市統計局によると、上海経済は全体的に新型コロナウイルスの影響を克服しつつあるが、いくつかの経済指標はまだ下がっており、持続的な回復の基盤をさらに強化する必要があるという。

 一方で経済成長が特に目立ったのは、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)だ。上半期のGDPは838億3800万元(約1兆2574億円)で、前年比5.1%増は全国トップの伸び率だった。自治区内の新型コロナ感染者は1人にとどまり、3月から生産活動が回復するなど、経済への影響が比較的少なかった。

 新型コロナウイルスの被害が最も深刻だった湖北省(Hubei)は前年比19.3%減となったが、第2四半期は力強く経済が回復している。湖北省統計局によると、コロナ禍の中で新しい産業やビジネスが誕生。大型国有企業34社が上半期に湖北省で72のプロジェクトを契約し、新エネルギー、環境保護、情報技術などの分野に3277億元(約4兆9149億円)を投資している。

 全国的に新型コロナを抑制した6月は、全国のハイテク製造業の付加価値は8.8%増加し、マイクロコンピューター、光ファイバー、リチウムイオン電池の製造量はそれぞれ17.8%、10.8%、48.5%増加した。

 国家統計局の劉愛華(Liu Aihua)氏は今後の展望について、「第2四半期はさまざまな経済指標が回復しており、下半期の継続的な景気回復は楽観できる」と見通しを示し、大きな要因として三点を列挙。第一に、上半期の着実な景気回復が下半期の経済回復の基礎となること。第二に、新型コロナウイルスの拡大中に多くの新産業、ビジネスモデルが産み出され、景気回復を強力にサポートしている。第三に、マクロ政策の効果がさらに広がっていく、とみている。

 一方で劉氏は「海外では新型コロナウイルスの感染が依然として急拡大しており、世界経済は再始動に苦労している。国内需要の回復はある程度制約されており、企業の安定と雇用維持に対する圧力は依然として高い」と強調した。(c)CNS-中新経緯/JCM/AFPBB News