【11月30日 AFP】新型コロナウイルス対策で3月から国境を封鎖しているオーストラリアに30日、日本や中国、香港、ベトナム、インドネシアからの留学生63人が到着した。オーストラリアが外国人留学生を受け入れるのは、国境封鎖後初めて。

 今回の受け入れは、高等教育事業の振興を目的とした試験プログラムの一環で実現した。留学生らは豪チャールズ・ダーウィン大学(CDU)のチャーター機で、シンガポールから豪北部ダーウィン(Darwin)の空港に到着。豪政府の指定した施設で2週間の隔離生活に入った。

 63人の中には新規の留学生もいれば、新型コロナ流行前から留学していて今回、大学に復帰した学生もいる。

 オーストラリアにとって教育は、鉄鉱石、石炭、天然ガスに次ぐ第4の輸出産業。2019年には50万人以上の留学生を受け入れ、経済効果は370億オーストラリア・ドル(約2兆8000億円)に上った。

 オーストラリア大学協会(Universities Australia)は6月、新型コロナ流行に伴う国境封鎖により、教育分野の損失額は110億ドル(約1兆1400億円)に上るとの試算を出している。

 豪政府は在外オーストラリア人の帰国も厳しく制限しており、現在も3万5000人以上の国民が海外で立ち往生している。一方、国内では多くの外国人留学生が足止めされており、政府の支援対象から外れた学生らは慈善団体の食料支援を頼りに生活している。(c)AFP