【11月28日 AFP】ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相(65)は27日、同国軍の40万人以上を対象とした大規模な新型コロナウイルスのワクチン接種を開始したと発表した。

 ショイグ氏によると、すでに兵士2500人以上がワクチンを接種済みで、その数は年末までに8万人に達する見込みだという。

 ロシアは今週、8月に承認された新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」について、臨床試験(治験)の暫定データで95%の有効性が示されたと発表。

 スプートニクVの開発者らは、同ワクチンが他のワクチン候補より保管しやすく、価格も1回分が10ドル(約1000円)未満と、世界的なワクチン開発競争に参加する有力候補の中で最も安いとうたっている。

 現在このワクチンは最終段階である第3相臨床試験が行われており、ボランティア4万人以上が参加している。

 ショイグ国防相は、軍人のワクチン接種が志願制なのか明らかにしなかったが、ワクチンを接種済みで高レベルの抗体を持つ軍人約500人が「(新型コロナウイルス感染症の)重症例に効果的」だとされている血漿(けっしょう)治療の研究に参加していると述べた。

 国防省はスプートニクV開発の初期段階に関与し、軍人らも第1相試験の最初のボランティアとしてワクチンを投与された。ショイグ氏自身も、他の多くのロシア当局幹部らと共にワクチン接種を受けている。

 同省は25日、今年春に同国で新型コロナウイルスの流行が始まって以来、軍人4100人以上が検査で陽性になったと明らかにしていた。(c)AFP