遺体運搬は受刑者が…コロナで大打撃の米テキサス州エルパソ
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■39歳の友人の死
一方、サバラさんの妻で、ヘルスケア業界のマーケティング部門で働くエリカ・サラ(Erica Salas)さん(41)は、このウイルスで病気になるのは高齢者や既往症のある人々だけだと思っていた。だがその考えは、友人の看護師がコロナで亡くなって一変した。友人は39歳だった。
「それで目が覚めました」。そしてサラさん自身もコロナに感染した。
今ではサラさんは、自治体によるコロナ関連の規制を超える制限を実行している。例えば、バーやレストランでの食事を避けることなどだ。「個人的には『大丈夫、うまく乗り越えた』という気持ちですが、他の人たちのことを考えるとまだ怖いです」
■新たなロックダウンはなし
エルパソではさらに厳しい措置が必要だという意見もある。だがテキサス州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)知事は、コロナ流行を常に軽視しているドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の強力な支持者だ。
アボット知事は4月、テキサス州に1か月間のロックダウン(都市封鎖)を命じたが、その後はロックダウンを延長せず、バーやレストランの制限付き再開を許可した。同州ではマスク着用は7月まで義務付けられなかった。
サマニエゴ判事はエルパソ郡で10月29日から、生活維持に必要不可欠ではない事業所の閉鎖を命じたが、これに対し州司法長官とレストランの所有者らが訴えを起こした。結果、州控訴裁判所は閉鎖命令を差し止めた。
11月中旬、アボット知事は「テキサス州ではもうロックダウンは行われない」と述べている。(c)AFP/Julia BENARROUS